ゴルフ初心者にとって最初の難関である「100切り」。ゴルファーにとって100切りとは、初級者と中級者・上級者を分ける「大きな壁」でもあります。
すぐに100切りを達成できる人もいれば、ずっとゴルフを続けていても100切りができないという人もいます。よくゴルフ雑誌などで100切り達成の割合についてのアンケートなどが載っていますが、どの調査でもだいたい100切りが出来ているのはゴルファー全体の3割くらいだそう。
でも、あえて言いたい。周りなんてどうでもいい。
すぐに達成する人がうらやましく思えるかもしれませんが、そんなことはどーでもいいんです。
100切りは「自分との戦い」なのだから。
ゴルフの面白いところは努力が報われる、という点じゃないかと僕は思っています。今時、努力が報われることなんて珍しいかもしれません。でも、ゴルフはいつだって僕たちの努力を待ってくれています。
そして、最初の努力の証が「100切り」なのです。自分に勝てるかの勝負なのです。
今回は、ゴルフで100切りできない人に向け、なぜできないのか、どうすればいいのか、その原因と対策について、僕なりのアドバイスを書いてみたいと思います。
僕はゴルフのプロフェッショナルではないですし、あくまで素人代表の意見なので不要な情報は読み流してください。でも、きっと何かしらは役に立つ情報となっているはず。100切りを目指す人にとって、少しでも参考になれば幸いです。
では、スタート!
原因1:とにかくOBが多い
まず100切りを阻む最大の原因はOBで間違いないでしょう。1打目だったはずが、いきなり次の瞬間には3打目に。もしくは「プレ4行き」で4打目からという最悪の展開に。(実際には、プレ4は初心者にとっては優しいローカルルールなのですが)
なので、やっぱりOBだけは出さないように気を付けなくてはいけません。
初心者がドライバーで心がけるべきなのは、飛距離ではなく、いかにOBを出さないか、ということ。
対策としては、練習の時から、
どうやったらOBが出ないように打てるだろうか?
ということを思考錯誤することが大事だと思います。
美しく正しいスイング=曲がらないのでOBが出ない、という教えが多いと思いますが、こと100切り達成という点では、綺麗なスイングかどうかよりも、とにかくOBが出ない打ち方、を自分なりに研究するのが重要ではないでしょうか。
美しく正しいスイングにするはもちろん大事ですが、日本人はみんな真面目なので、教科書通りのお手本のようなスイングをしなくてはダメだ、という気持ちが強すぎるようにも思えます。
でも今、我々の目標は教科書通りのスイングをすることではありません。敵は100切りです。
ひとまずは、スライスしまくりだって、OBしなければオッケー。教科書通りのスイングを目指すのは、100切りを達成してからでいいのです。
それくらいの割り切った気持ちで、まずはとにかくOBをしないこと、その意思をしっかり持って、100切りという壁に立ち向かうべきではないでしょうか。
ただし、100切りにあたって、絶対にOBを打っちゃいけないかというと、そんなことはありません。
これは僕がはじめて100切りを達成したときのスコアです。
HOLE | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 前半 | 合計 |
スコア | +3 | □ | △ | □ | □ | □ | □ | △ | □ | 53 | |
HOLE | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 後半 | |
スコア | △ | △ | △ | △ | □ | ー | △ | ー | +3 | 46 | 99 |
最初と最後はトリプルボギーで、がっつりOBしています。(どんだけプレッシャーに弱いねん。。。)そのほかにも何発かやらかしています。でも、見事100切りは達成できました。
たとえOBが出ても諦めない。そんな不屈の精神こそが、100切りには必要なのです。
原因2:+8や+9など大叩きしてしまう
先ほどはOBは出さないようにと言いましたが、仮にOBを出してもダブルボギーで収まれば100切りを目指すうえではまったく問題はありません。
100切り、つまりスコア「99」を出すには、9回ボギー、9回ダブルボギーのペースなので、最終的にスコアがまとまるのであれば大丈夫です。半分ボギーが取れたなら、残り半分はダブルボギーでもノルマ達成です。
それよりも怖いのが、+8や+9など、大叩きしてしまうこと。パー4で+8のことを「ダブルパー」と言ったりもしますが、これは絶対に避けたいです。
・OBを出した後、連続でOBを出してしまう
・バンカーから全然出ない
・連続で池ポチャしてしまう
・アプローチが乗らず、グリーンを往復する
・4パット、5パット以上してしまう
など、大叩きの要因は無数にあります。
ずっとボギーかダブルボギーのペースを守っていたのに、どこかで大叩きに捕まってしまい、スコアを崩して終戦。。。
これは本当に避けないといけません。
対策としては、とにかくこれらの起こるリスクを極力、排除すること。
トリプルボギーまでであれば、100切りを目指す上では挽回できます。なので、リスク管理をしつつ、迷って大叩きしそうになったら、
トリプルボギーまでに上がるにはどうするか?
を考えます。消極的に見えるかもしれませんが、ここはぐっと耐えて、次のホール以降で、ボギーを目指しましょう。あわよくばパーやバーディが取れるかもしれません。トリプルボギーまでならボギーでチャラにできるので、100切りの可能性がぐっと高まります。
原因3:ミスをすぐ取り返そうとする
ゴルフ初心者にありがちなのが、ミスをするとその場ですぐに取り返そうとすることです。
例えば、林に入ってしまったのに、狭い木の間を狙って無謀にグリーンを狙おうとする。案の定、木に当たり、状況はさらに悪くなる。。。
実際にはうまくいくこともありますが、100切りを目指すにあたっては、リスクが高すぎる行為です。先ほどの原因2で書いた、大叩きにつながる危険なニオイがプンプンです。
ミスはすぐに取り返すのではなく、ラウンド全体のどこかで取り返せばいいのです。そしてそのチャンスはどこかで必ずやってきます。
それと、こうしたシーンで、安全策を取ると、なんなく自分の中で
今日のオレ、落ち着いてるな
という妙な自信にもつながったりします。すると冷静になれるのか、次以降のショットでベタピンしたり、流れが良くなることも多いです。
原因4:バンカーを甘くみている
OBや池は避けるけど、
バンカーならボールもなくならないし、まぁいっか
と安易にバンカーに入れちゃうのも、100切りできない原因の一つです。
初心者ゴルファーにとって、バンカーに入れることはワンぺナと同じである、ということを心に刻んでおきましょう。
つまり池ポチャと同じです。
例えば、グリーン周りのバンカーに入れるとします。そこから一度でグリーンに乗せられるのであれば問題はありません。が、多くの初心者ゴルファーの場合、出すのに精一杯で、そこからグリーンに乗せるにはもう1打以上必要になります。
パー4のセカンドショットがグリーン周りのラフに落ちた場合と、バンカーに入った場合をを想定してみます。
グリーン周りから
→3打目でグリーンに乗る、1パットならパー、2パットでボギー、3パットでもダブルボギーで収まる
バンカーに入る
→3打目で出す、4打目でグリーンに乗る、1パットならボギー、2パットでダブルボギーだが、3パットだとトリプルボギーになってしまう
→もしくは3打目で出ない、4打目で出る、5打目でグリーンに乗る、1パットでもダブルボギー、2パットでもトリプルボギー、3パットだと+4
→もしくは3打目でホームラン、奥にOBとなり次は5打目、ビビッてバンカーから出ない、何度打っても出ない、、、ようやく出たら……え、10打目?
というように、上手く出せてもワンぺナと同じですし、もしかするとそれ以上の危険性があるのがバンカーという悪魔なのです。
対策としては、バンカーは池である、という気持ちで望むこと。100切りを目指すなら絶対に入れないように、細心の注意を払うことが必要です。
原因5:アプローチでトップが多い
うまくグリーン周りまで運べたのに、アプローチでトップしてしまう、というのもゴルフ初心者にとっては、あるあるだと思います。
こればかりは技術的な部分もありますし、避けたくても避けられないものだったりするのですが、僕が100切りを目指していた時は、以下のことを徹底していました。
パターで打つべきか?
アプローチ(ウェッジ)で打ちべきか?
迷ったら絶対にパターを選ぶ!
パターで寄せるのは、意外とラフに食われて、距離感がわからず難しいもの。
時には強く打ちすぎて、グリーンオーバーしてしまうこともあったり。でも、アプローチでトップしてグリーンオーバーに比べるとケガは少なく済みます。
パターの場合、仮に勢いが強すぎてグリーンをオーバーしてしまったとしても、カラーの先のラフで止まってくれることが多いです。一方で、アプローチでのトップだと勢いが強すぎてそのままバンカーに落ちる、なんてことも珍しくありません。
迷ったらパター!
距離感が合わなそうでもパター!
とにかくパター!
100切りを達成するまでは、とにかくパターを使う、ということを徹底する。これ、重要です!
原因6:3パットが多い
パッティングについては、正直なところ、必ず2パット以内で入れるべし!と言っても思うようにいかないことも多いですよね。個人的には気にしすぎることはないかと思います。
よくパットイズマネーという言葉を聞きますが、それはプロや上級者の話であり、100切りを目指すうえでは、そこまで影響は大きくないんじゃないか、と。
たぶん100切りを目指すレベルであれば、毎回4パットや5パット以上ということはないでしょうし、ダブルボギー以内で上がればいいので、パー4であれば3オン3パットでもダブルボギーで収まります。
とはいえ、やはりなるべく少ないパットで上がりたいというのも事実。
対策としては、無謀な1パット狙いではなく、近い距離でも2パット、3パットでかまわないと落ち着いて、距離感を第一にすること。
距離感さえ合えば、たとえラインが間違っていても、ボールは低いところに流れるので、次のパットは上りになりやすい。そうすると、2パット目が入りやすくなります。
ちなみに、僕の場合、距離感を合わせるときはボールのスピードを意識しています。これくらいのスピードでボールが転がって、これくらいで止まる、というのを意識すると距離感が合いやすい気がします。
それと午前と午後で、グリーンの速さが変わることも多いので、前半が終わってランチ休憩の後、後半に挑む前に少しだけでもパター練習をして、ボールが転がるスピードを確認しておく、というのもおすすめです。
原因7:緊張しすぎている
これは僕がそうでした。
先ほど紹介したスコアを見てもらってもわかる通り、最終ホールで緊張からOBをやらかしました。
特に後半、100切りが見えてきたあたりから、だんだん緊張してきます。これはもう受け入れるしかない。
だって、好きでゴルフをやっているんです。自ら望んで、緊張するシチュエーションを生み出しているのです。ゴルフをやっていなければ、100切りを目指していなければ、味わえない緊張感。こりゃ、楽しむしかない。
対策としては、緊張という言葉を「スリル」と置き換えてみてはどうでしょうか?
そして、頭の中に布袋の「スリル」を流してみる。
ベビベビベイベベイベベイベベイベー♪
なんかちょっと楽しくなってきません?
ゴルフは緊張するスポーツではなく、スリルを楽しむスポーツなのである
と自分をどうにかして洗脳してみてはどうでしょうか。
原因8:難しいクラブを使っている
ここまでは戦略的な話をしてきましたが、ずっと100切りができない、のであれば、クラブも大きな原因となっている可能性もあるんじゃないかと思います。
例えば、僕の場合、ゴルフを始めたときは、親父のおさがりの昔のクラブで回っていました。けっこう上級者向けのモデルだったらしく、ちゃんと芯に当たらないと飛ばない。
でも、新しいクラブを買ってみたところ、ミスヒットかと思ってもちゃんと前に飛んでる。クラブによって全然違うんだー、ということをそこで初めて知りました。
下手なのをクラブのせいにするなー
お前の腕が足りないんじゃボケー
という方もいると思いますし、それも正しいと思います。ただ、どうしても100切りできないという人は、クラブのせいにしちゃってもいいんじゃないかと。別に誰が困るわけでもないし。
実際、今までミスヒットだったのが、ミスじゃなくなるってことは多い気がします。
原因9:難しいコースばかり回っている
これもずっと100切りができないという人には関係することだと思います。
ゴルフ場によって難易度は違いますし、自分の好みもあると思います。狭いホールが苦手とか、距離が長いホールが苦手とか。
簡単なホールで100切りしてもなー
という声も聞こえてきそうですが、まずはその簡単なホールを倒しちゃいましょう。
最初にも書きましたが、100切りは自分との戦いです。周りから、簡単なホールで100切りしても意味がない、みたいなことを言われようが、そんなのガン無視です。周りの目は気にしない。
まずは簡単なホール、自分が得意なホールで100切りを目指すのも、全然カッコ悪いことではないですし、もしも100切りを達成できたのであれば、あなたは間違いなくカッコ良いです!
原因10:スコアを気にしすぎている
最後はちょっと精神論みたいな話になっちゃうのですが、100切りという数字を気にするあまり、本来楽しいはずのゴルフが苦痛になってしまっている、という人も少なくないかもしれません。
僕も100切りを目指しているとき、そんな風に感じることがありました。とにかく毎回プレッシャーになっちゃっていました。
でも、一番大切なのはゴルフを楽しむ、ということです。
僕らは別にプロゴルファーではないですし、スコアが良かったからと言って賞金がもらえるわけでもありません。生活もかかっていません。むしろ金をたくさん払ってる。
100切りをしたからって、何もないです。自己満足です。究極の自己満足。
だから、もっとも重要なのは「ゴルフを楽しむ」を忘れないこと。
クラブを買い、ボールを買い、ウェアを買い、ゴルフ場代を払い……こんなにも高い金を払って楽しまないのはバカです。それか極度のドMです。(そういう性癖なら仕方ないですが)
だから、100切りという呪縛にとらわれすぎない。あくまで楽しむのが優先。プレッシャーから自分を解放してあげる。
歯を食いしばって100切りを達成した瞬間にガッツポーズを残しておくのではなく、普段のゴルフからどんどんガッツポーズをしてみる。そういう積み重ねで、とにかく「今」を「1打」を楽しむ。
そうすると、いつの日か100切りを達成したとき、さらに大きなガッツポーズが生まれるのではないでしょうか?
(なんだかポジティブなことを書いていたら、だんだんアンミカが憑依してきたような気がしてきました。今日はこの辺でやめとくでー)
というわけで、100切りできない人のための原因と対策について、僕なりの考えを書いてみました。これから100切りを目指す人にとって、少しでもお役に立てれば僕はハッピーです。